近年、建築費の高騰が多くの人の悩みの種となっています。
2019年にコロナウィルスの問題や、建築の労働環境の改善を目的とした2024年問題等、多くの要因が重なっています。
住宅の新築やリフォーム、商業施設の建設にかかる費用が上昇し続けており、その影響は家計やビジネスに大きな負担をもたらしています。
この記事では、建築費コストが上昇する主な損失を詳しく解説し、その背景とについて考えてみたいと思います
1. 建材価格の上昇
1.1 木材価格の高騰
木材の価格は、特にコロナ禍以降、大幅に上昇しました。この現象は「ウッドショック」とも呼ばれ、日本国内でも大きな影響を恐れています。アメリカやカナダなどの主要木材輸出国では、森林火災や環境保護政策により伐採が制限され、木材の供給が大幅に減少しました。それに加えて、パンデミックの影響で物流が滞り、木材の輸送が遅れたことも価格の重点に車をかけました。
1.2 鉄鋼やセメントの価格上昇
鉄鋼やセも、建設上重要な資材です。これらの原材料は、世界的な需要増加により価格が急上昇しています。また、鉄鋼の生産には大量のエネルギーが必要で、エネルギー価格の上昇もコストに影響を及ぼします
1.3 原油価格の影響
建築資材の中には、石油由来の製品が多く含まれています。ちなみに断熱、プラスチック製品や塗料、材などです。
さらに、燃料費の上昇は、資材の輸送コストにも影響を与え、最終的には建築費用全体の増加につながります。
2. 労働力不足と人件費の上
2.1 建設業界の労働力不足
少子高齢化が進む日本では、建設業界における労働力不足が深刻です。若年層の人口減少に伴い、建設現場で働く人々が不足しており、特に削減した職人の確保が難しくなってきています。労働力不足は、人件費の上昇を把握し、建築コストの増加に継続中
2.2 賃金の上昇
建設業界では、労働者の不足に対応するために指標が上昇しています。
全体のコストが増加し、特に大規模な建設プロジェクトでは予算オーバーが評価されることが多くなり指標が上昇しています。
3. 環境規制と建築基準の強
3.1 環境保護に関する規制の強化
地球温暖化対策として、建築物に対する環境規制が世界的に強化されています。日本でも、エネルギー効率の高い住宅やオフィスビルを建設するための基準が厳しく化され、高性能な断熱材や省エネ設備これらの規制に対応するために、従来よりも高価な建材や設備を使用しなくても、建築費の増加につながっています。
3.2 耐震基準の強化
日本は地震が頻繁に発生する国であり、物に求められる耐震性能は非常に高いです。東日本大震災以降、耐震基準がさらに強化され、新しい建物やリフォームにおいてもこれらの基準に適合する工事が求められています耐震工事や補強には追加の費用がかかり、これも建築費コストの上昇幅となっています。
4. 国際的な情勢変化
4.1 新型コロナウイルスの影響
コロナ禍は、建築価格の上昇に大きな影響を与えました。パンデミックによる生産の一時や物流停止の混乱が、建築資材の供給を大幅に遅らせました。
さらに、ウイルス対策として建設現場での作業が制限されたことで、工事の進捗が遅れ、追加の費用が発生するケースも多く見られるので、細やかな追加費用の確認が重要となります。
4.2 ウクライナ情勢の影響
ウクライナ危機も、建築コストに直接的な影響を与えています。
直接関係が無いように見えますが。
2020年における世界の針葉樹製材輸出量は約1.43億万m3。
カナダ（25％）、EU（24％）、ロシア（21％）となっていました。
ウクライナやロシアは、世界有数の鉄鋼やエネルギー資源の供給国であり、この限りからの供給が途絶えることで、世界的な資源不足ですその結果、建材価格の上昇やエネルギーコストの増加が建築費に反映されます。
「国産材使用」と謳われている建物でも、扉や、カウンターなどの建具など、100％使用して建築することは大変難しく、海外の木材を使用することは避けられません。
5. 建築費の重視対策
5.1 コスト効率の良い設計
建築コストを重視するためには、無駄を省いた効率的な設計が重要です。
シンプルで機能デザインを採用することで、材料費や施工費を削減することができます。
安価な建材や部品を利用することで、コストダウンを意識しながら計画を進めます。
これは、建築会がどれだけ仕入れの幅や、バリエーションがあるかが大切になってきます。
5.2 新しい技術の活用
3Dプリンティングやモジュール工法など、新しい建築技術を導入することで、建設コストを削減できる可能性があります。
これらの技術は、建設のスピードを大幅に向上させ、労働コストや材料費を中心にできることが可能ですため、今後ますます普及してると考えられています。
しかし、個人住宅に使用される例は、導入コストが建築価格に反映されるので、３Ｄプリンタの流通がもっと増えない限り難しいかと思われます。
5.3 補助金や助成金の活用
環境配慮型の住宅や建物、省エネ設備の導入には、国や自治体からの補助金や補助金が提供されている場合があります。
これらの制度を活用することで、建設費の一部を軽減します特に、リフォームや耐震改修に対する助成制度は充実しているため、積極的に利用しています。
5.4 複数の業者からの見積り
プロジェクトを建設する際、複数の業者から見積もりをすることで、最適な価格で高品質なサービスを受けることができます。
業者によって提供する価格やサービスの内容は異なるため、価格だけでなく、信頼性や実績も確認しながら慎重に選ぶことが重要になります。
ここで重要なのは、値段交渉をするあまり、顧客の見えない所でコストダウンを行い、本来備わっている設備や、材料が使用されていないといったケースも少なくありません。
信頼できる相手かどうか、粘り強い対応をしてくれる等、担当者と会社の意見極めも大切です。
まとめ
建築費コストの上昇には、建材的な価格上昇、労働力不足、環境規制の強化、国際情勢変化などさまざまな考慮が検討されています。
増加は避けられない課題ですが、効率的な設計や新技術の活用、補助金制度の活用など、さまざまな方法でコストを重視した計画を意識することが重要となります。
自動販売機の価格が下がらないのと同様に、据置きはあっても、今後上がった物は下がりにくく、ボリュームを減らすなどが行われますので、価格の上昇は避けられません。
建築費の上昇が続く中、今後も適切な対応策を考えて、未来の住まいや建物を実現するために柔軟に対応していくことが求められます。
価格だけが全てではありませんが、日本の住宅は、世界的に見ても、価値が下がるのが早いところがあります。
原価率ばかりがすべてではありませんが、出来る事なら抑えたいものですよね。
